片付けをしている途中で、思いがけないものが見つかったりする時ってありますよね。「私はまだこれを持っていたんだなあ」と自分でも少し驚くようなものに、久々に遭遇するような時です。そんな、懐かしいモノに纏わるお話です。
一つは、手鏡。子供の頃……小学生の時なんですが、手鏡をもらったんですね。木製で、裏面に"Mother's Village"という何だかよくわからない文字が刻まれていて、これまた何だかよくわからない玉ねぎ頭の女性が立体的に居るという、謎デザインの手鏡です。でも、持った時の感触も良く、子供の手には丁度良いサイズだったので、有難く使っていました。多分、鉛筆やマーカーと一緒にペン立てにいつも入れてあったのじゃないかな。いつの間にか使わなくなっていったその手鏡ですが、久々に見つけて、再び手元に置くようになりました。今ではもうペン立てではなくて、デスクの上のカップホルダーの中に、ボールペンや万年筆やハサミや体温計などと共に入れてあります。"Mother's Village"は未だに謎なままですが、それも良い。
一つは、ジオラマの飾りもの。これは誕生日にもらったのだったかな。話がズレますが、私は機能不全家族の中で生まれ育ってきたので、幼少時から誕生日というものがひどく憂鬱でした。それなので、多分これはそういった憂鬱の中では珍しく温かい記憶とともにあるモノですね。話を戻して、このジオラマはひとつの風景としてとても綺麗だと感じていました。左手前の段を上ってゆくと、両側に木々。そばには植え込みがあって花が咲いていて、青いドアの二階建ての家はどこか古めかしい雰囲気。風景が気に入ったので、長いこと本棚に飾ってありました。これ、かなり頑丈なケースに入っている上に、壁にも掛けられるようになっているのですが、よくある紐じゃなく細いチェーンがついているのが何気に豪華。引っ越し以来行方知れずだったこれもまた、物置の奥から発掘して、今現在は自室に飾ってあります。
一つは、やたらBIGなサイズのクシ。「PIYOPIYO」とゆるい顔のひよこがくつろいでいるデザインが、何となくサンリオ風。これは中1の時に雑貨屋さんで自分で買ったものですが、私はこのキャラクターの所属が未だに判りません。試しにこの広いインターネットの海を探してみても、一体何者なのかは不明。その雑貨屋さんにはこのキャラ(PIYOPIYOと呼ぶことにする)の様々なグッズが並んでいたものですが、「PIYOPIYOのミニぬいぐるみを買って中学のサブバッグのポケットに入れて持ってゆくも、たった一日で満員電車の中で失くす」という哀れなやらかしの記憶が……。何にせよ捨てがたかったらしく、最近ようやく発掘されたこの大きなサイズのクシの使い心地ですが、やっぱりイマイチでして、とりあえず引き出しの中に仕舞ってあります。というか、このPIYOPIYOのピンバッジまで私は持っていて、「パディントン」のピンバッジと共に発見されました。
それなりに長く生きていると、こんな風にモノに纏わる思い出もどんどん増えてゆくけれど、出来ればモノには良い記憶を引き連れていたいものだと思うのでした。
#雑談 #雑貨